海に壁ができた日

独り言

ここに書いた事は2020年4月現在の僕個人の気持ちです。タイトルにある通り、自分が直面した初めての経験、気持ちを忘れないように書き残しているものです。ある一定の個人を非難したり、自粛が正義だ!みたいな事は書きません。ただ、大好きな海へ繋がることができなくなってしまった今の僕の独り言です。

報道でもあるように、2020年4月末現在。新型コロナウィルスの蔓延拡大を防止するために、人の集まる場所が次々と閉ざされています。街の小さなコミュニティ、僕らの運営する宿も営業を自粛せざるを得ない状態となりました。全国、いや、全世界各地でこの状態なのは皆さんもご存じかと思います。

そんな最中、僕の住む三浦半島の砂浜、堤防、岩場への道にはチェーンやフェンスが張られました。「Stay Home」とされている中、週末は観光客で三浦はごった返し、人のいない海に人が押し寄せました。しかし、その壁を越えていく釣り人がいます。(釣り人だけではないけれど)そしてそういう一部の人達の取った行動から「これだから釣り人は」と批難の声が上がったのも事実です。SNSでも汚い言葉が飛び、本当にそれを見るのが辛かった。

悔しかった。

悪いのは全部コロナのせいだ。だけど、辛かった。大好きな海へなんで行けないのだろう。自分の中でその事実を受け止めることもきずに悶々とした気持ちだけがありました。海が好きで三浦に来て、海があるから宿もはじめました。海で出会う生きものたち、そこに集う人たちとの何気ないコミュニティも全てなくなってしまいました。

「自粛期間が終われば解除されるから」大筋間違いではないけれど、そのまま海へ立ち入れなくなってしまう場所もでてくるのでは?という不安もあります。

妻とのちょっとした言い合いの中、「なんでそんなに覇気がないの?」となって話していくうちに涙が止まらなくなりました。そこでやっと自分の気持ちを受け止めることができました。

今は家の水槽の魚を眺めています。でも、この事態が落ち着いたら大好きな海へ竿を持って、潮風を頬で感じながら海を眺めたいと思います。宿に泊まりに来た子ども達と、磯にカニを採りに行きます。今まで当たり前にできたことができなくなった今だからこそ、海の大切さに気付くことができました。

僕にとってかけがいのない大好きな海は、僕のしらない誰かにとってもかけがい大好きな海だと言うことです。

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