壱岐遠征Day5(2020.1.30)

遠征釣行

「うぉっしゃっっーーーーーーー!!」横たわった惚れ惚れする魚体を眺めながら僕は雄たけびを上げた。

オール明けの朝、布団から起きて宿のコタツに入りまったりとすごす。先日から宿泊している「オモイノママニ号」というヨット日本一周を壱岐で成し遂げた3人組の動画編集を一緒に眺めていた。外は大粒の雨。夜釣りでの満足感と雨の音に、「このまま釣れないのも遠征だな」となかばあきらめモードになっていた。ゆっくり過ごすのも悪くない。明日出発なので、半日は時間があるのでは?とダラダラ過ごす。

昨晩の魚をキッチンをお借りして捌かせてもっった。美味しそうな壱岐の魚だ。これを食すのが楽しみだ。ベットに戻り荷物の整理をする。気が付けば楽しかった旅も終わりが見えてきてしまった。釣り道具の整理もある程度し、気が付けばリーダーを結びかえしていた。雨も止み、少し青空も見えていた。外で整理をしていると宿から漁さんが出てきて、

漁「おっ!釣り!?」

僕「あ、あはい!なんか雨止んできましたね!」

漁「こりゃ行くでしょ!?」

そうだ。ここで諦めたら帰ってから絶対後悔する。僕の消えかかった心に火が付いた。産卵で激渋のヒラスズキを諦めて青物狙いに絞った。行く先はもう心の中で決まっている。初日に痛恨のバラシがあった西の岬だ。ここ数日色々なエリアを見てきて自分のタックルで勝負できるのはそこしかなかった。夕方の時合にかけることにして車を走らせた。

因縁の場所に帰ってきた。しかし何度も黒い雲が来て雹や雷が鳴る。あえなく避難をしては磯に戻りのくり返し。正直心が折れそうになったがレーダーを見ると最後の雨雲が通過すれば夜までは雨の心配もなさそうだった。磯に戻ると沖にカツオドリ数羽が旋回していた。潮も沖から岬に向けて流れていた。釣れるなら今だと、三浦でも一番魚を連れてきてくれた、ぶっ飛び君に変える。

ふと、フックの先が甘いかな?と感じたので、ジャンプライズトレブルMMHの3番フックにサイズをあげた。

沖の鳥、潮目が絡むエリアへ遠投をする。先日のバラシからか立ち位置も少し上で投げる。

1投目、竿先を軽く動かしながらスキッピングをする・・・出ない。

2投目、少しワンド状になるエリアへ遠投する。後ろからの追い風に乗り飛距離が伸びた。「チョン、チョンチョーーーン」とテンポよくスキッピングを繰り返すと、ぶっ飛び君の後ろの海面が盛り上がる。

この時言葉で「食え!食え!」と叫ぶ。

次の瞬間、ぶっ飛び君が視界から消え、バリスティックHIRAが海面に向けて大きく弓なりに刺さる。

「食ったぁぁぁっつ――――――!!!」

フッキングを深く入れると同時に魚も沖へ向かって急発進。青物だ。

ツインパワーのスプールが鳴る。相手をある程度は知らせ、速度が落ちた瞬間にこちらも勝負に出る。ポンピングを繰り返し、一気に寄せる。魚はこちら側に向かって走りだす。「やばい」また下に潜られる。僕は急いで斜面を降り、磯を横に走った。時折入るウネリのセットを確認しながら魚をいなす。魚も応戦して、下に潜る。

そして、、

因縁の根に入りそうになる。僕は波を見て前に出た。竿は大きく曲がり海面に突き刺さる。「下への突っ込みを耐えてくれ。」

「ググググッグーーーーーー」と根から魚が出てきて岸と並行に泳ぐ姿が見えてきた。

「デカイ。」

相手に再度潜られぬよう一気に竿でプレッシャーをかけると、魚がようやく浮いた。何度か下に潜ろうとするが、フッキングがしっかり決まっていたので強引にテンションをかける。何度かセットが入り魚をずり上げようとするが、上がらない。この瞬間、時間が止まったかのにゆっくりと魚を見ていた。

「絶対に獲る」

次の瞬間、大きなウネリとともに一段下のタイドプールに魚が入り、僕は夢中になって尾っぽを掴んだ。

「うぉっしゃっっーーーーーーー!!」

横たわった惚れ惚れする魚体を眺めながら僕は雄たけびを上げた。

78cm4kg 壱岐ではヒラスサイズだったが、僕にとってはメモリあるな魚となった

初めて手にするヒラマサだった。三浦ではまず出会うことはできないだろう魚が横たわっていた。久々に手が震えた。魚も体力を使い切ったのかじっと横たわっていた。遠征を決めたころ、「青物タックルは持ってかないの?」と何度も言われた。自分の中では、三浦での釣りがどれだけ通用するのか確かめたかった。結論で言うと九州での釣りは簡単にぼくの経験をあざ笑ったが、やってきたことに間違いはなかったし、自分のスタイルを突き通したことで獲れた魚に出会えたことが何より嬉しかった。初めての場所で、地形を読み、潮の流れを見て、鳥を探し、何より諦めずに竿を振ること。

これが僕が三浦でやってきたことだったから、このヒラマサは僕の中で記憶に残る魚となった。ホントに釣れてくれてありがとう。魚に敬意をはらった。

 側線のイエローラインが最高にカッコイイ魚だった

漁さんにLINEで報告すると、自分のことのように喜んでくれた。

最終日、このヒラマサに満足して僕は竿を仕舞った。この島に来て、とうとうヒラスズキに出会えることはなかったが、島の人や魚に魅了されて、誰しもが何度もここへ足を運ぶのだろう。気が付けば僕も壱岐という場所に惚れ込んでしまったその一人になった。

宿を出る時、お世話になった方々が集合写真を撮ろうと僕を誘ってくれた。ホントにいい宿、いい島でした。漁さん、かなさん、ぽにょ、はんこ、トミー、ルビー、オモイノママニ号の皆さん

ホントにありがとうございました!!

壱岐遠征FIN

【タックルデータ】

ロッド:YAMAGABlanks Ballistick107hira

リール:ツインパワーsw4000XG

ライン:シマノ ピットブル4 1.2号

リーダー:YGK bitLINE40ld

ルアー:ジャンプライズ ぶっ飛び君ラトル95Sジャンプライズトレブル#3#4装着

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