フェリーに乗る事約2時間。
船に乗り合わせた方々が騒がしくなり、デッキに出ると、さっきまで曇りで視界ゼロだった海に、、、


10代の頃から憧れた夢の島。本でしか見たことのない北の魚達と出会えるのか。16時間の短い挑戦が始まった。
時間はたっぷりあったので、Googleマップと天気図をしらみつぶしのようにチェックし、踏査するエリアを島半分に絞った。その中でもウネリが当たらず、水深のあるエリアをレンタカーでチェックする。全記事にあるように、北海道の春は夜が短い。つまり日没までにどれだけ釣り場をチェックするかが焦点となる。

明るいうちはアイナメを探す。


釣り場を絞る事ができないまま日没を迎えてしまった。暗くなった磯で「なんで、魚おらんの?」とヘッドライトを付けると、、ガヤガヤガヤガヤ、、、と無数のガヤ笑
ぞなバガヤwと言いたくなるが、なんとかファーストキャッチは初魚種のガヤ。アベレージ25cmくらいだからびっくりする。例えて言うなら内地のネンブツダイの如くいる。

その後の釣り場に悩んでいると、事前に連絡をとっていたロコの方から「良かったらご一緒しませんか?」とメッセージ(泣)甘える形で合流し、ご一緒させていただくことになった。
着いたのは小規模な漁港。ロコのNさんにご挨拶し、ポイントと食わせ方を聞く。と、、、
いただいたガルプが視界から消えて、、、

基本サイトでの釣りなのだが、当たりが遠のくと、フリーリグを沖へキャスト。底をゆっくりリーリングすると、
「ゴゴ、ゴン!」

北の島が本性をあらわしはじめた。その後当たりがなくなり、漁港をランガンしていく。気づくのはどの漁港も海藻などが生い茂り、ベイトになる生き物が豊富に生息する豊かな環境である事。
関心してると、フォールしたリグにバイト。

続いて、遠投したリグに何やらニョロニョロした魚が、、、「食った!」

小さそうに見えて

夢の様な北の魚を堪能した。Nさんとはここでお別れする。聞いたところによると、春のこの時期、やはりキーポイントは「水深のあるところ」という事らしい。「この辺り行ってみなよ!」とアドバイスを受けたポイントへ向かう。
時刻は2時半だった。白夜気味の北海道はすでに薄明るくなってきていた。仮眠したら起きなそうという事で、休まずランガンしていく事にした。
ポイントにつき、フリーリグを岸際にキャスト。カウントは7秒。今までで一番水深がある。糸フケを取り、crazycarryを立てようとしたその瞬間、奴はきた。
「ズドンッ」
反射的にあわせを入れ、一気に底から引き剥がす。アタリからしてこれは走らせたらいけないやつだと感じたからだ。carryがこうを描くが、負けじとリフトしてゴリ巻く。
魚は横になり水面に浮く「デカイ!!」
魚との距離があったが、一気にぶっこぬいた。
「しゃあぁあーー!」


しばらく放心状態だった。久々に震えが止まらない出会いをしてしまったのだ。この一晩だけでいくつもの夢を見てしまって怖いくらいだった。それくらい魅力的な魚だった。
そして、だんだんと明るくなり鳥達が一斉に歌い出す。再び同じコースを通すと!?

こうなると朝マヅメの爆発力にどれだけ集中できるかで魚はドンドンコンタクトを取り始めてくる。

もういっちょ!





気がつくと夢中になって朝になってしまった。日の出とともに魚の反応も遠くなり、僕は竿を置いた。今振り返って書いていても興奮が蘇ってくる。海を覗くと、底まで透き通った水の中をガヤ達がゆっくり漂う。

数ヶ月経ってもこの夜の出来事は忘れられない。こんな経験ができたのも、釣具を送る手配をしてくれた奥さんや利尻ローカルの皆様のおかげです。
幼き頃の夢の島は今も尚、夢の島でした。中々ホームでの時間が取れない中、出張の合間にできた時間で手繰り寄せた時はかけがいのない経験となりました。またいつかチャンスがあればこの島に、この大地に戻って来たいと思います。

終わり。
【タックル】
ロッド: APIA Foojin’Z CRAZY CARRY108MH
リール:SHIMANO ツインパワーsw4000xg
ライン: SUNLINE キャリアハイ6 1.7号
リーダー: SUNLINE カットインフロロカーボン25lb
ルアー:pozidrivegarageメタルフラッター30g
フリーリグ:デコイテキダンシンカー&ロックンフック#1 エコギアバグアンツ4インチ